トップ >> 製品紹介 >> トーヨースチロールの基本特性と、ご使用上の留意点 >> 成形上の留意点
成形に当たっては下記の表を参考に条件設定を行なってください。
ポリスチレンは一般に280℃を超えると樹脂の分解が始まりますので、成形温度はこれ以下に管理してください。また樹脂温度が低すぎても残留ひずみが大きくなり、ウェルド強度の不足やゲート周辺に剥離発生する等の原因となります。
使用樹脂 | 高流動タイプ | 一般タイプ | 耐熱タイプ | |
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MFR値の目安(g/10min) | 10以上 | 5〜10 | 5以下 | |
射出成形機 | インラインスクリュー式 | |||
シリンダー温度 ℃ | H-1 | 180〜190 | 190〜200 | 200〜210 |
H-2 | 190〜200 | 200〜210 | 210〜230 | |
H-3 | 200〜210 | 210〜220 | 230〜240 | |
ノズル温度 ℃ | 200 | 210 | 230 | |
金型温度 ℃ | 40 | 40 | 40〜50 | |
射出圧力 MPa | ノズル部 | 60〜70 | 70〜80 | 80 |
一般的にはポリスチレンは乾燥の必要はありません。
ただし、精密成形、寸法安定のためには乾燥を行って使用することもあります。また帯電防止剤等吸湿性の助剤が添加されている場合は乾燥が必要となります。
乾燥時間は一般に70〜80℃(ビカット軟化温度より5〜10℃低く)で3時間程度です。
棚式乾燥機を用いるときは、樹脂ペレットを容器にあまり厚く入れると乾燥が行われにくくなるので、3センチ程度までを目安としてください。
同時に乾燥機内に付着している他の樹脂のコンタミにも充分注意願います。
ポリスチレンは寸法安定性に優れてますが、成形後わずかながら収縮し、24時間程度経つと安定します。成形収縮はおよそ下記の通りですが、成形条件や形状によって多少変化します。
ポリスチレンは一般の使用ではアニーリングを行いませんが、用途によっては成形後アニーリングを行うことがあります(例:肉厚なものや複雑な形状のもので、ガス殺菌等を行うもの)。アニーリングは成形ひずみを除いて強度、耐熱性、耐薬品性等の向上を目的として行います。温度条件としては原料樹脂の加熱変形温度より5℃程度低い温度が好ましく、3時間以上必要です。
一般の成形品では極力エアベントを設けて下さい。ハイサイクル成形および高速射出で成形されるものは、エアベントが必須となり成形品の周囲全体に設ける必要があります。流動の末端やウェルド部にはエアベントが必要です。エアベントの深さが大き過ぎる場合にバリ発生の原因となることがあります。
難燃グレードの技術情報は、別途、担当者にご相談願います。下記の点につき説明いたします。
・金型腐食の対応
・成形機腐食の対応
・材料パージについて